サツマイモの基礎知識

 

寒い季節の風物詩である「石やきいも」はサツマイモの代表イメージかもしれません。甘くて美味しいサツマイモは「庶民の味」として親しまれているものでもあります。

 

サツマイモ(薩摩芋)は、ヒルガオ科サツマイモ属の植物で、その食用部分となる養分を蓄えて肥大した根(塊根)のことです。別名となる「甘藷・かんしょ」という名称もお馴染みです。アサガオやヨウサイ(アサガオ菜)はサツマイモの仲間です。

 

何よりサツマイモは繁殖能力が高いのが特徴で、江戸時代以降には飢饉対策としてたくさん栽培されていました。数枚の葉のあるツル(茎)を土に挿して定植し、発生した不定根が肥大したタイミングで収穫します。基本的には春に苗を植え、晩夏~秋にかけて収穫します。

 

サツマイモは痩せた土地でも育ちます。むしろ、肥料をたくさん与えて葉や茎が育ってしまうと、過剰成長して肝心の根の品質が落ちてしまいます。まさに飢饉対策にはピッタリの野菜だったわけです。

 

品種は非常に多くなっています。主なところではベニアズマ、ベニコマチ、紅赤(べにあか)、金時などの品種がよく利用され、シロユタカ、シロサツマ、コガネセンガン(黄金千貫)などは、でんぷん原料用となります。

 

「シモンイモ」は南アメリカが原産の「白甘藷」です。七福人参は天然着色料の原料として使用される品種で、カロチン色素を抽出できます。琉球紫、パープルスイートロードはアントシアニン色素を抽出できる品種です。こうしてサツマイモはいろいろな用途で活用されています。